春高決勝の結果

就実 3 (28-18 27-29 25-18 25-20) 1 古川学園

・就実は2年連続4度目の優勝。

ジャパネット杯「春の高校バレー」第74回全日本バレーボール高等学校選手権は男女の決勝が無観客で行われ、女子は就実(岡山)が古川学園(宮城)を3-1で下し2大会連続4度目の頂点に立った。双子の深沢めぐみ、つぐみ(ともに3年)の最強ツインズがけん引した。
姉・めぐみの強烈なスパイクが最強ツインズの〝最終章〟を締めくくった。就実が決勝で古川学園を破り2年連続の日本一。姉は膝から崩れ落ち妹のつぐみは両手で顔を覆って立ち尽くした。2人の頰には大粒の涙が流れた。
2年連続で最優秀選手賞に選ばれた主将の姉は「このメンバーで日本一が取れてうれしい」。妹は「やっと夢がかなった。やり切った」と声を弾ませた。
2-1で迎えた第4セットの14-9。今大会最長身195センチのドミニカ共和国からの留学生タピア・アロンドラ(2年)のブロックに屈することなく跳び 続けた姉がアクシデントに見舞われた。右太ももがつり一時コートを離れた。大エース不在のピンチに妹のつぐみが声を張り上げる。「(トスを)持ってこい!!」。パワフルなスパイクで攻撃の手を止めなかった。姉が36得点、妹は15得点。合わせて51得点を挙げた。
「この1年は本当に苦しかった」。2人は口をそろえる。チームが同じ方向を向かず練習でボールがつながらない。悔し涙を流す後輩の姿を見てふがいなさを感じた。主将の姉は妹に聞いた。
めぐみ 「私の何がいけない?」つぐみ 「まだ優しさが残っている」心を鬼にして、強く意見をぶつけるきっかけは妹がくれた。
2人がエース。インターハイ前から春高予選前までは姉に代わり妹が主将を務めた。「自覚を持ってほしい」という西畑美希監督(44)の思いからだった。姉が背負ってきた重圧を知った妹は「もっとしっかりしなきゃ」。率先して声を出すようになり、ともにチームを先導した。
小1でバレーボールを始めて12年。高校最後の大会で2連覇をつかんだ2人は卒業後別々の道を歩む。姉はVリーグ・久光、妹は東レで腕を磨く。姉は妹に向け「これからも一緒に上を目指そう」。春高の歴史に名を刻んだ〝めぐつぐ〟の挑戦は続く。

古川学園はまたも就実の壁を乗り越えられなかった。悔し涙をのんだ前回大会準決勝でも立ちはだかった深沢めぐみ、つぐみ姉妹に打ち込まれた。3年生で唯一レギュラーの鈴木玲香は「悔しさが大きいが、自分たちのバレーはできた」とうなずいた。
しぶとい守備に手を焼いた。身長195センチの留学生エース、タピア・アロンドラ(2年)の強打が思うように決まらず、最後は「体力が続かなかった」と岡崎典生監督。第2セットを29-27で取り返したが、反撃もここまでだった。
前回大会後、体育館の倉庫に「就実を倒して必ず日本一になる」と書いた紙を貼った。この日のために苦しい練習を乗り越えてきたが鈴木玲香は「相手の方がまだまだ上だった」と完敗を認めた。前回は4強、前々回は準優勝だった。チームの支えとなってきた最上級生は「来年こそは三度目の正直でリベンジしてほしい」と後輩に夢を託した。

・最優秀選手賞:深沢めぐみ(就実)
・優秀選手賞:深沢めぐみ(就実)、深沢つぐみ(就実)、タピア・アロンドラ(古川学園)、鈴木玲香(古川学園)、吉武美佳(金蘭会)、古川愛梨(下北沢成徳
・ベストリベロ賞:井上凜香(就実)