春高準々決勝の結果

東九州龍谷 2-0 東京都市大塩尻
大阪国際滝井 2-1 誠信
就実 2-0 金蘭会
古川学園 2-0 鎮西

 ジャパネット杯「春の高校バレー」第73回全日本バレーボール高等学校選手権は、男女の3回戦と準々決勝計24試合が無観客で行われ、4強が出そろった。女子で2連覇が懸かる第1シードの東九州龍谷(大分)が、室岡莉乃主将(3年)を軸に2試合を勝ち抜いて4強進出。9日に準決勝が行われる。
 “東龍の小さな巨人”が攻守でチームの勝利に貢献した。162センチの東九州龍谷・室岡の最高到達点は300センチ。十分に助走を取り、一気に頂点に跳び上がる驚異のジャンプ力を武器に、3回戦で敬愛学園(千葉)、準々決勝で東京都市大塩尻(長野)をともにストレートで下し4強入りした。
 「身長が低いので、1本、1本を全力で跳ばないと通用しない。この身長でもできるんだということを見せたい」
 前回大会は2年生ながら最優秀選手賞を受賞。新チームとなり、竹内誠二監督(45)から主将に指名された。人生初の大役も「人間的にもう一つ成長して、本当の高校ナンバーワンになってもらいたい」との監督の思いを胸に、先頭に立ってチームを引っ張ってきた。この日の準々決勝は第1セットだけで10得点。第2セットでは得点に加え、ブロックでも活躍を見せ、チームの3戦連続ストレート勝ちに貢献した。大会3日目のダブルヘッダーを乗り越えた。
 コロナ禍で開催される今大会。大分・中津市からの上京は「田舎者ですから。必要以上におびえている」と竹内監督。移動は公共交通機関を使用せずレンタカーを手配。試合後は車で移動し、宿舎のホテルの部屋に直行するなど極力、一般の人との接触を減らしている。徹底した感染症対策を施しながら、2連覇を目指して戦いの歩を進める。
 大会の開催も危ぶまれる感染状況が続く東京。室岡は「主将になって、周りを見られるようになり視野が広がった。中途半端な気持ちでは終わりたくない。高校最後の大会。力を発揮して終わりたい」と大会の継続を切実に願った。頂点まであと2勝。エースで主将の小さな巨人が、ラスト2戦に全力を注ぐ。

 バレーボールの全日本高校選手権第3日は7日、東京体育館で3回戦と準々決勝が行われ、女子準々決勝では2連覇が懸かる東九州龍谷(大分)が東京都市大塩尻(長野)に、古川学園(宮城)が鎮西(熊本)にともにストレート勝ち。就実(岡山)と大阪国際滝井もベスト4入りした。
 古川学園が2大会連続の4強に進んだ。前日の2回戦は日立二にフルセットと苦戦したが、この日の3回戦と準々決勝はストレートで快勝。岡崎監督は「いい勝ち方。この2試合は自分たちの力を思い切って出せたと思う」と評価した。
 攻撃を引っ張るキューバからの留学生バルデスは次戦以降を見据え「次も強い相手。1人でなく6人でしっかりと戦いたい」と話し、決勝で敗れた前回の雪辱を期している。1年生セッター熊谷は「メリーサ(バルデス)先輩を助けるつもりでトスの幅を広げていきたい」と話した。