春高準決勝の結果

大阪国際滝井 3 (25-14 25-20 26-24) 0 東九州龍谷
就実 3 (27-25 25-23 21-25 25-19) 1 古川学園

 「バレーボール・全日本高校選手権」第4日(9日、東京体育館)男女の準決勝が行われ、女子で前回大会覇者の東九州龍谷(大分)が大阪国際滝井に0-3で敗れた。
 第1セット、試合開始から13連続得点を許す苦しい出だしとなった。第2セットも落とし、第3セットも終盤にリードを許す展開。身長162センチのエース・室岡莉乃(3年)の3連続得点でジュースに持ち込んだが、相手の勢いを止めきれずにストレート負けを喫した。
 前回大会で最優秀選手賞に選ばれた室岡は、「自分たちのバレーができなかった。悔しいというよりも情けない」と振り返った。卒業後は実業団に入りバレーを続ける。「この身長でも勝負できるところを見せて、Vリーグでも活躍できる選手になりたい」と飛躍を誓った。

 「バレーボール・全日本高校選手権」第4日(9日、東京体育館)男女の準決勝が行われ、女子で優勝候補の古川学園(宮城)は就実(岡山)に1-3で敗れた。
 キューバからの留学生、バルデス・メリーサ(3年)を擁して前回準優勝のリベンジを目指したが、決勝の舞台に届かなかった。第1セットはマッチポイントとするも逆転負け。第2セットも落とし、第3セットを奪い返したが力及ばなかった。
 エースとしてこの試合でも42得点を挙げたメリーサは「古川学園に来て本当によかった。負けちゃったけど、全員で楽しめました」とすがすがしい表情を見せた。
 今後はキューバには戻らず、Vリーグでプレーを続ける。「チームを助けるプレーヤーになって、世界レベルでやりたい」と目標を掲げた。

 ジャパネット杯「春の高校バレー」第73回全日本バレーボール高等学校選手権第4日(9日、東京体育館)男女の準決勝が無観客で行われ、女子は就実(岡山)と大阪国際滝井、男子は駿台学園(東京第1)と東福岡が、10日の決勝に勝ち上がった。
 前回Vで優勝候補筆頭の東九州龍谷(大分)をストレートで下し、6大会ぶり6度目の決勝進出。無観客のセンターコートで計27得点と暴れた大阪国際滝井のエース中本柚朱(ゆず、3年)が汗をぬぐった。
 「楽しかった。みんなが声を掛けてくれたので落ち着いてできた」
 第1セット、中本が最高到達点292センチの高い打点からスパイクを決めた。開始から13連続得点し、前回女王を一気に突き放した。13-0とリードしたが「いつ、ひっくり返されるかわからない」とその後も気を緩めることなく、前回大会MVPで相手エースの室岡莉乃(3年)を封じた。第3セット最後は中本が2連続で強打を決め、1時間22分の熱戦を3-0で制した。
 コロナ禍で昨夏まで一時練習が制限された。約3カ月間、中本ら部員26人はマスクを着用して4キロ走など基礎練習を積み上げてきた。前回大会は共栄学園(東京)との準々決勝でスタミナ切れもあり惜敗したが、「長く戦っても(体力が)もつようになった」と中本は成長を実感。この日も粘り強さが最後まで健在だった。
 「仲間を信じて目の前の一本一本を大切に」
 帝国女子高時代の1991年度以来29大会ぶり2度目の日本一を狙う。卒業後、Vリーグ岡山シーガルズに入団する中本を軸に団結力で挑む。

 ジャパネット杯「春の高校バレー」第73回全日本バレーボール高等学校選手権第4日(9日、東京体育館)男女の準決勝が無観客で行われ、女子は就実(岡山)と大阪国際滝井、男子は駿台学園(東京第1)と東福岡が、10日の決勝に勝ち上がった。女子はノーシードの就実が、前回大会準優勝の古川学園(宮城)を3-1で破った。双子の深沢めぐみ、つぐみ(ともに2年)の「メグツグ」が2人で43得点を挙げた。
 “就実旋風”が止まらない。双子の姉・深沢めぐみが22得点を挙げれば、妹のつぐみは21得点。姉妹で合計43得点をマークし、キューバからの留学生、バルデス・メリーサ(3年)擁する古川学園を破った。
 めぐみは「目標の日本一に近づけてうれしい」と声を弾ませ、つぐみは「大事な場面で決めきれたことがよかった」と胸を張った。
 2回戦では激戦区の東京大会を制した文京学院大女、準々決勝ではU18日本代表候補が4人もいる“スター軍団”金蘭会(大阪)を撃破。次々と優勝候補を破るノーシードの就実の柱が深沢ツインズ「メグツグ」だ。
 「エースとして-」と2人は声をそろえる。アウトサイドヒッターのめぐみはレフトからの鋭いスパイクで、ミドルブロッカーのつぐみはフェイントや中央からの攻撃で得点を重ねた。大会屈指のスパイカー古川学園バルデス・メリーサは1人で42得点。「2人がエース」の就実は、力を合わせて勝ち切った。
 一卵性の双子で、176センチの身長も、301センチの最高到達点も同じ。2人を見分けるポイントは「笑ったときに目がくしゃっとなるのが妹」(めぐみ)だという。つぐみは韓国の男性音楽グループ「BTS」のファン。姉にも勧めているというが「全然興味を持ってもらえない」と寂しげ。技術力向上に貪欲なめぐみは「男子並みに速い妹のスパイク」について興味津々に質問。技術を盗もうと、バレーボール談議では盛り上がるが、私生活では違うようだ。
 きょう10日の決勝で大阪国際滝井と対戦。25大会ぶりの頂点を目指す。めぐみは「2人の(合計)得点を減らさない」、つぐみは「勢いに乗ってここまで来られた。感謝の気持ちを忘れずに戦い抜きたい」。ノーシードからの“就実旋風”はまだ続く。