三重国体

 三重県鈴木英敬知事は21日、新型コロナウイルス感染の拡大を受け、今秋、同県内で行われる予定だった国民体育大会と全国障害者スポーツ大会について、中止する方向で、共催の文部科学省、日本スポーツ協会、日本障がい者スポーツ協会に協議を申し入れると発表した。鈴木知事は「苦渋の決断。アスリートや指導者のみなさんにおわび申し上げる」と述べた。
 感染が急拡大している同県は20日から「まん延防止等重点措置」の対象となったが、21日の感染者数は427人で、5日連続過去最多を更新し、初の400人台を記録。鈴木知事は、緊急事態宣言の発令を国に要請した。
 中止申し入れの理由について鈴木知事は「感染状況の激変、医療提供態勢への負荷、競技団体や県民の開催への不安の声に加え、競技補助員となる高校生の確保が困難な競技が出てきかねない」と説明した。県はこれまで、国体については一律無観客とした上で、9月4日時点で開催の可否を判断することにしていたが、感染拡大に歯止めがかからず、県内自治体からは大会中止を求める文書が提出されるなど、早期の中止検討が必要になっていた。
 国体は9月25日~10月5日の日程で、9月4日から会期前実施競技を行う予定。障害者スポーツ大会は10月23~25日の予定となっている。同県によると、この日程での中止決定判断後、延期にする選択肢もある。その場合、中止決定から1カ月以内に申請する必要があるが、開催は2027年になるという。コロナ禍の影響で、20年の開催を断念した鹿児島県は23年に延期している。