インハイ決勝の結果

金蘭会 3 (25-17 27-25 25-22) 0 古川学園

・金蘭会は8年ぶり2度目の優勝。

 全国高校総体(インターハイ読売新聞社共催)のバレーボール女子の準決勝、決勝が1日、徳島市で行われ、決勝で金蘭会(大阪)が古川学園(宮城)を3-0で下して、8年ぶり2度目の優勝を果たした。
 金蘭会の上村杏菜(2年)がほぼフリーで放ったスパイクが相手レシーブをはじき飛ばすと、コートに輪が広がった。ストレートでの快勝に「みんながすごいから、自分も安心して打てた」と上村。絶対的エースにマークを集中させない多彩な攻撃が、頂点へ押し上げた。
 昨年度は総体3位、全日本高校選手権3位。アジアU20(ジュニア)選手権最優秀選手の上村にトスが上がる攻撃の単調さが課題だったが、西村美波(1年)のバックアタックや井上未唯奈(2年)のクイックが面白いように決まった。主将の徳本歩未香(3年)は「みんなが成長して打ちきってくれた」
 1メートル96の長身を誇る古川学園のタピア・アロンドラ(3年)に対し、必ず2人がブロックに飛んで自由を奪った。対照的に的を絞らせない攻撃を展開し、今大会で落としたセットはわずかに1だった。
 コロナ禍で練習は長くても半日。集中力を養い、ウェートトレーニングにより力を入れて進化を続けてきた。徳本を除けばレギュラーは1,2年生で、上村は「目標は(国体、全日本高校選手権を含めた)2年連続3冠とずっと言ってきた」。黄金期到来へ、まずは最初の関門を突破した。

 大会4日目、女子決勝、金蘭会(大阪[1])は古川学園(宮城)と対戦。金蘭会が古川学園にストレートで勝利し、8年ぶり2度目の優勝を決めた。
 初得点は、古川学園の#4阿部明音。ライトから鋭いスパイクを決めると、次は金蘭会#1西村美波がレフトから決めて1-1とする。その後、古川学園にミスが出たのに対し、金蘭会は#6井上未唯奈、#5上村杏菜らが着実に攻撃を決めて、9-4とリードを広げる。
 古川学園は#4阿部や#10南舘らが得点していくも、金蘭会のサーブで崩されて思うように攻撃できない。中盤以降も点差を詰めることができない古川学園に対し、金蘭会は#5上村1人に頼らない多彩な攻撃で、得点を重ねていく。最後は#1西村がレフトからスパイクを決めた金蘭会が25-17で第1セットを先取した。
 第2セットも、序盤から少しずつ金蘭会がリードを奪っていく展開に。金蘭会は#1西村のバックアタックや#8佐藤彩音の速いスパイクなど自在に攻撃。一方の古川学園も#1髙橋陽果里や#9今欄月那の攻撃でポイントを重ねていくが、連続得点できず、常に金蘭会が1・2ポイント先行する形で中盤へ。
 途中、金蘭会のミス、古川学園サービスエースなどで13-12と古川学園が逆転する場面も見られたが、17-16と古川学園が1点リードの場面で金蘭会にブロックポイントが飛びし、17-17と同点に。続けて金蘭会#1西村がスパイクを決め18-16の2点差にすると、古川学園にミスが出て3点差に。それでもセット終盤に金蘭会にスパイクミスなどが出て、古川学園は22-22と追いついて粘りを見せる。しかし、25-25の場面で古川学園#2タピア・アロンドラのスパイクがアウトになると、次の場面でも古川学園の攻撃は決まらず。レシーブを拾ってつないだボールを#1西村がきっちり決めて27点目を奪取。最後まで高い集中力を保った金蘭会が2セットを連取した。
 第3セット、後がなくなった古川学園は#2タピアのブロックポイントなどで一気に3-0とリード。第1・第2セットとなかなか活躍できなかった#2タピアの攻撃が決まるようになり、リードを保って中盤へ。
 少しミスが増えたものの慌てた様子は見られなかった金蘭会は、#6井上のクイックや#5上村の力強いスパイク、#1西村のスパイクなどで古川学園を追いかける。そして、古川学園13-10とリードしたところで古川学園のサーブがアウトになると、次の場面から金蘭会は相手の攻撃をレシーブで拾い攻撃につなげて5連続得点に成功。15-13と一気に逆転。古川学園は#2タピアのスパイクがなかなか決まらず苦しい展開となるが、それでもブロックポイントなどで18-18と同点に追いついて意地を見せる。ここから連続得点したい古川学園だったが、金蘭会#5上村がレフトから強烈なスパイクを叩き込み19-18とすると、古川学園のスパイクが3本連続でミスとなり、金蘭会が22-18とリード。これが決定的となり、点差は最後まで縮まらず。金蘭会が第3セットも25-22でものにしてストレート勝ち。大会を通じてわずか1セットしか落とさず、8年ぶり2度目の優勝を果たした。