春高準々決勝の結果

金蘭会 2-1 共栄学園
古川学園 2-1 東九州龍谷
熊本信愛女学院 2-0 高松南
誠英 2-0 八王子実践

 全日本バレーボール高等学校選手権大会第3日(6日、東京体育館)3回戦と準々決勝が無観客で行われ、女子は昨夏の全国高校総体に続く制覇を狙う金蘭会(大阪)が準々決勝で共栄学園(東京)に2-1で逆転勝ちした。国体覇者の古川学園(宮城)や誠英 (山口)、熊本信愛女学院とともにベスト4入り。7日は男女の準決勝が、3年ぶりに有観客で実施される。

 スーパー1年生を破ったのは、名門金蘭会の1年生、西村美波だった。共栄学園 のエース秋本美空(みく)との壮絶な打ち合いを制し、感情を爆発させた。
 「ほんまに勝てたん、と思っていたので、勝てて頭が真っ白になった。安心でいっぱいです」
 絶対的エース上村杏菜(2年)が不調の中、第1セットを20-25で落とした。第2セットも秋本が爆発したが、西村も負けじと食らいつき、最後の5得点中3得点は西村が決めた。「絶対に負けたくなかった」と危機を救い、セット間には涙を浮かべた。最終セットは上村や3年生が意地を見せ勝ち切った。
 第1セットはけがで出られなかった井上未唯奈(みいな、2年)の代わりにミドルブロッカーを務めた。流れをつかめず第2セットから池条義則監督が切り替え、アウトサイドヒッターに。指揮官は「上村を抜くくらいのポイントゲッター。1年生ながらよくやってくれた」と評価した。
 先輩を助ける活躍だった。上村が共栄学園のブロックにことごとく止められる中、「杏菜さんに任せてばかりじゃ勝てないし、自分もついていかないといけない」と奮起。高さを生かしたスパイクで得点を重ねた。試合後に上村から「『よくやった』と声をかけてもらってうれしかったです」と照れ笑いした。
 3大会ぶりに観客が入る準決勝は、メンバー外の仲間も全員駆け付ける。金蘭会中3年だった昨年準決勝の就実(岡山)戦は、無観客開催のためテレビ応援でストレート負けした。
 「自分も悔しくて、来年は自分もここに立って勝つんだと思ってやってきた。その気持ちを全部出したい」。成長し続けるニューヒロインが、4大会ぶりの頂点に導く。

 全日本バレーボール高等学校選手権大会第3日(6日、東京体育館春高制覇への挑戦は8強で幕を閉じた。女子の共栄学園(東京)は3回戦で日本航空(山梨)をストレートで下して臨んだ金蘭会(大阪)との準々決勝。スーパー1年生、秋本美空(みく)が覚醒し、昨夏のインターハイ女王から第1セットを奪ったが逆転負け。あと一歩及ばなかった。
 心待ちにしていた強豪との対戦。悔しい敗戦にも秋本は「こんなに点数が取れるとは思っていなかった。点が取れて自信になりました」。春高での経験が飛躍の出発点となることを予感させた。
 バレーボール女子で2012年ロンドン五輪銅メダルの大友(旧姓)愛さん(40)を母に持つ。強烈なスパイクだけでなく、最高到達点300センチの高さを生かしたブロックで相手エースをシャットアウト。4試合を通して大車輪の活躍で、中村文哉監督も「この子はどこまでいっちゃうんだろうと」とその進化にうなった。
 「また春高にきたい。きつい場面できたトスも決めきれるように」と秋本。成長曲線を描く16歳。挑戦はまだ続く。

 全日本バレーボール高等学校選手権大会第3日(6日、東京体育館)女子で国体覇者の古川学園(宮城)が準々決勝で東九州龍谷(大分)を下し、4年連続4強入り。第1セット先取後、第2セットを15-25の大差で落としたが、最終第3セット開始から6点を先取するなどして25-15で奪った。
 「泣いても笑っても一本一本が最後。後悔のないように命を燃やすくらいの気持ちでやろう」
 3回戦で九州文化学園(長崎)にストレート勝ちし、迎えた強豪の東九州龍谷との準々決勝。セッターの熊谷仁依奈主将(3年)が今大会で初めてセットを失った後、チームの闘争本能に火をつけた。
 意気に感じたドミニカ共和国出身の留学生、タピア・アロンドラ(3年)は、相手の飯山エミリ主将(3年)のアタックをブロックするなど攻守で奮闘。エース対決を制した。
 「ここで勝たなければセンターコートへ行けなかった。ひと安心しています」と熊谷主将。優勝候補の強豪は、7日の準決勝で熊本信愛女学院と対戦する。24年ぶりの春高制覇まで残り2勝だ。

 全日本バレーボール高等学校選手権大会第3日(6日、東京体育館)女子準々決勝が行われ、八王子実践(東京)は誠英(山口)に0-2で敗れ、4強入りを逃した。同日に行われた3回戦の佐賀学園には圧勝したが続く誠英戦で第1セットは22-25、第2セットは21-25で惜敗。主将の成瀬ももか(3年)は「自分たちの攻撃が思うようにうまくできなかった。やっぱりセンターコートで最後は貫井先生を胴上げしたかった」と涙を浮かべた。貫井直輝監督は「本当にいいチームを作ってくれた。彼女たちのことを本当に誇りに思っています」とねぎらった。

 全日本バレーボール高等学校選手権大会第3日(6日、東京体育館)女子準々決勝が行われ、誠英(山口)が八王子実践(東京)を2-0で下し、2018年以来、5年ぶりの4強入りを決めた。
 チームスローガン「泥んこバレー」を体現し、粘り強くボールをつないだ。第1セットは25-22、第2セットは25-22でいずれも接戦を制した。「選手たちがよく考えてやってくれた」と田渕正美監督。エースで主将の北窓絢音(3年)は「センターコートでしっかり自分たちのプレーを出し切って優勝できるように頑張ります」と力強く語った。