春高決勝の結果

古川学園 3 25-19 22-25 23-25 25-17 15-6 2 誠英

 全日本バレーボール高等学校選手権大会決勝(8日、東京体育館)決勝を行い、女子は古川学園(宮城)が23大会ぶり4度目の優勝を果たした。誠英(山口)に1-2とされたが、196センチの留学生、タピア・アロンドラ(3年)を中心とした攻撃で取り返し、栃木国体に続く2冠とした。計5598人が観戦した。
 歓喜の涙がコートをぬらす。優勝決定の瞬間、古川学園のセッター熊谷仁依奈(にいな、3年)は、輪の中心でチームメートと抱き合いながら泣きじゃくった。
 「苦しかったけど頑張ってきた結果、日本一になれてよかったです。そう思うと、自然に涙が出てきました」
 2年生から主将を務めている背番号5が、ついに頂点に立った。1-2と誠英(山口)に王手をかけられてから第4、第5セットを奪い返した。1年から3年連続出場で、一昨年が4強、昨年が準優勝。三度目の正直で、チームを春高制覇に導いた。
 座右の銘は中学時代に父・正俊さん(46)から聞いたプロ野球ソフトバンク王貞治球団会長の名言『努力は必ず報われる。もし報われない努力があるのならば、それはまだ努力と呼べない』。秋田・大曲工野球部OBの父からは、巨人・長嶋茂雄終身名誉監督の名言『勝つ、勝つ、勝つ』も授かった。
 この日は〝勝つ〟気持ちが空回りし、連取された第2、第3セットで単調なボール回し。第4セットの前に「このセットのために1年間きつい練習を乗り越えてきた。1点に集中して攻め続けよう」と鼓舞し、本来のコンビバレーを取り戻した。
 就任21年目で春高バレー初優勝の岡崎典生監督(54)は「努力する選手。手を抜かない才能がある」と世代を代表するセッターの精神面を評価。熊谷は昨年の準優勝後、日常生活におけるあいさつとごみ拾い、コートに入るときの一礼を部員に徹底させた。
 「もっともっとうまくなれるように、向上心を持ってプレーしたい」
 昨年10月の栃木国体優勝に続く2冠を達成し、卒業後は大学でバレーを続ける。〝ONイズム〟で高みを目指す。


・最優秀選手賞:タピア・アロンドラ(古川学園
・優秀選手賞:タピア・アロンドラ(古川学園)、阿部明音(古川学園)、北窓絢音(誠英)、岩城遥南(誠英)、原嶋睦夢(熊本信愛女学院)、徳本歩未香(金蘭会)
・ベストリベロ賞:北島瑠渚(古川学園