春高準々決勝の結果

就実 2-0 大阪国際
共栄学園 2-0 東九州龍谷
金蘭会 2-0 安来
下北沢成徳 2-0 熊本信愛女学院

 「ジャパネット杯 春の高校バレー」第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会第3日(7日、東京体育館)女子で連覇を狙う就実(岡山)は、3回戦の鹿児島実戦、準々決勝の大阪国際戦をともにストレートで勝ち、スコアだけ見れば圧勝。しかし、昨年優勝に輝いたチームの内心は、余裕などみじんもない状況だった。
 「(3回戦後は)あのまま行ったら負けると思った。私が思っていた以上に、選手たちは勝たないととか、いろんなことを感じていた」
 朝の公式練習から不穏な空気を感じていたという西畑美希監督。3回戦では、大胆なトスが持ち味で入学直後の4月から起用する加藤由詩(1年)がダブルコンタクトの反則を複数回取られるなど苦心した。この日は大会で唯一の1日2試合。3回戦後は選手たちに昼寝をさせ、気持ちを切り替えさせた。
 加藤は「3年生のために、今までやってきたことをすべて出そうと。切り替えて準々決勝には臨めた」。準々決勝第2セットでは相手の猛追をかわし、4強入りした。
 西畑監督は「これで(悪い流れから)抜けた」。準決勝は共栄学園と激突。中3日で分析に時間を割き、虎視眈々と頂点を狙う。

 「ジャパネット杯 春の高校バレー」第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会第3日(7日、東京体育館)女子の共栄学園(東京)の秋本美空(3年)が爆発した。3回戦で古川学園(宮城)、準々決勝で東九州龍谷(大分)と優勝経験のある名門を次々に撃破。チームを5年ぶりの準決勝進出に導き、自身初のセンターコート出場が決まった。
 「1年生では届かなくて(8強で敗退)、2年生では初戦敗退。頑張ってきてよかったなって思っています」
 リードを許していた準々決勝の第1セット中盤、秋本の強打をきっかけに反撃開始。右、左、中央からと、相手ブロックの上から次々と強打を決め、サービスエースも奪って流れをつかむ。第2セットは序盤から強打とブロックでリードを広げて押し切った。
 中村文哉監督は「秋本が本気を出しましたね。ギアが一気に上がって、すごい打点から打っていた。本当にギアをうまく入れてくれてくれた」とたたえたが、秋本は「みんなで終わったら倒れるくらいやろうとやったからだと思います」と当然というような表情だ。
 大会期間中は家族とは会えないが、母で2012年ロンドン五輪銅メダリストの愛さん(旧姓・大友)からはLINEで「相手のペースに合わせないで、自分たちのプレーでやりな」と助言をもらったという。
 準決勝の相手は前回優勝の就実(岡山)。国民スポーツ大会も制しており、優勝候補の筆頭だ。エースは「ビビらないで、みんなで最初から最後まで攻め続けられる試合をしたい」とまなじりを決した。

 「ジャパネット杯 春の高校バレー」第77回全日本バレーボール高等学校選手権大会第3日(7日、東京体育館)女子の東九州龍谷(大分)は3回戦で松山東雲(愛媛)にストレート勝ちするも、準々決勝で共栄学園(東京)にストレート負け。忠願寺姉妹の春高が終わった。
 1年生エースの妹・莉桜(りおん)は試合後、姉・風來(かえら、3年)と抱き合い号泣。「今回の悔しさを全部ぶつけて、(来年以降に)日本一を取りたい」と誓った。

 平成31年以来6年ぶり4度目の優勝を目指す金蘭会は3回戦で長岡商と対戦。主将の西村美波(3年)、大森咲愛(さえ)(3年)のダブルエースが本調子を欠く中で〝脇役〟らがチームをもり立てた。下級生の馬場柚希(ゆずき)(2年)や丹山花椿(つばき)(2年)がブロックやスパイクを決め、初戦から活躍する花岡明里(3年)や平野シアラ(3年)が次々と得点。昨夏のインターハイ覇者の貫禄をうかがわせた。
 準々決勝の安来戦では、ようやく役者がそろった。「前日から気持ちを切り替え、強気で行った」(大森)という両エースがバックアタックや鋭いスパイク、相手の攻撃を封じるブロックを次々と決め、チームに貢献。相手を圧倒した。
 主将の西村は、この日の2試合で「少しずつ調子が上がってきた」と話し、「コート上を楽しみたい」と準決勝へ抱負を語った。
 金蘭会・池条義則監督「いろんな攻撃が使えるようになり、試合ごとに調子が上がってきた。ライバルに負けたくない。準決勝以降もいい試合をしたい」