全日本監督

 日本バレーボール協会は25日、東京都内で理事会を開き、男子はプレミアリーグ・堺の部長を務める中垣内祐一氏(48)、女子は同・久光製薬監督の中田久美氏(51)を代表監督に選出したと発表した。
 東京五輪を見据え、日本バレーボール協会は公募によって外国人指導者を候補に加えることをせず、日本代表の元スター選手2人に監督を託した。
 協会幹部は「公募すれば、次期五輪の開催国だから多くの海外指導者が手を挙げた」とみていた。しかし、2012年ロンドン五輪後の男子代表監督選考の際は公募したものの、選出まで時間がかかり、託した外国人監督はコミュニケーションの壁から1シーズンで解任。その二の舞いになることを避け、一日も早く、かつ継続的に強化を進めるため、今回は公募を見送った。
 女子については、求める監督像が決まっておらず、日本協会の木村会長も「100点満点の監督かという議論はある」と認める。中田氏は久光製薬監督として、若手の育成で成果を残せておらず、国際的なパイプの無さを指摘する声もあるが、女子強化委員会で、自ら立候補したのは中田氏のみ。ある強化委員は「やる気を示した。できないことは周りがサポートすればいい」と話す。
 一方、男子は南部正司前監督と元日本代表主将の荻野正二氏も候補だった。中垣内氏は代表コーチだった12年のロンドン五輪予選期間中に女性問題を起こし、ジュニア年代の関係者らから「指導者として問題がある」という批判が消えない。理事会でも2人は賛成せず、全会一致とならない異例の決定だった。
 協会関係者は「いろいろな意見はある。それでも、一体感を持って進めることが大切」と強調する。否定的な意見もある中で決断した以上、今後、関係者が一枚岩となって強化を進められるかどうかが問われる。

・男女とも煮え切らない決定だったみたい。