春高準決勝の結果

金蘭会 3(16-25 25-23 25-12 26-24)1 東九州龍谷
大阪国際滝井 3(25-15 23-25 22-25 25-17 15-10)2 柏井

・明日の決勝は大阪同士の対戦となりました。

 全日本高校選手権準決勝(10日、東京体育館)特設コートで男女の準決勝4試合を行い、女子は昨夏の高校総体、昨秋の長崎国体との3冠を目指す金蘭会(大阪第1)が、選手権6度優勝の名門・東九州龍谷(大分)を3-1で破った。2020年東京五輪ホープ、宮部藍梨(あいり、1年)がブレーク。両チーム最多に並ぶ29得点を挙げる活躍で、チームを春高で初の決勝に押し上げた。11日の決勝では大阪国際滝井(大阪第2)と対戦する。
 アイリが爆発した。第3セットだ。出だしに強打を決めると、全日本の木村沙織東レ)や江畑幸子(RCカンヌ)を上回る3メートル6の最高到達点を生かし、ジャンプサーブでエースを奪うわ、バックアタックを決めるわの大活躍。リードされた第4セットも終盤、積極的にトスを要求し、連続で強打を決めて逆転に導き、ジュースの末にもぎ取った。
 「最後のセットの中盤くらいで、やっと自分のプレーが出た」。はにかみながら振り返った。
 初体験の春高センターコート。「照明もいつもより明るくて、テレビの中みたい」。現実感を失った中、序盤はチーム全体が浮足立った。宮部も「緊張していないつもりでも、足が動いていなかった」。だが、第1セットを16-25と簡単に奪われ、「かえって切り替えられた」という。
 尻上がりに調子を上げて、終わってみればスパイク23点、サーブ、ブロック各3点の計29得点。セッター堀込奈央主将(3年)は「やっぱりエースとして頼れると思った」と頼もしげだ。
 東京五輪での活躍が期待される逸材だが、バレーへの思い入れが強いわけではなかった。小学校、中学校の卒業直前にやめるつもりだった。金蘭会中から高校に上がるのを決めたのも「中3の冬休みが終わって、バレーが楽しくなってから」だ。「あまり先のことを考えない子でしたねえ」と池条義則監督(53)。
 意識が変わったのは年代別代表などに選ばれるようになってから。「上を目指すメンバーの中で、自分もやらなければという自覚が生まれてきた」と監督はいう。
 3冠まで、あと1つ。「中3(の全中決勝)で優勝を意識してコケたので、目標は見ないようにしています」。11日の決勝では大阪国際滝井と対戦。「春高」のファイナルでは初の大阪対決だが、一打入魂で栄冠に挑む。 

 全日本高校選手権準決勝(10日、大阪国際滝井3-2柏井、東京体育館)激戦を競り勝った大阪国際滝井の選手は抱き合って喜んだ。「自信につながります」。センター高野由里加主将(3年)の声が弾んだ。
 相手の緊張もあり第1セットを奪ったが、第2セット以降は相手の両エースを止めきれず、連続で落とした。あとがなくなった第4セット。だが「ブロックで、いつも言われているポイントに気をつけた」と高野。ブロックにかけて切り返し、レフト金田修佳(3年)の強打や高野の速攻につなげて流れを奪うと、第5セットも押し切った。
 昨年の春高は柏井の前に初戦敗退。昨夏の高校総体は3回戦で選手登録ミスが発覚、奪ったセットを没収され、そのまま敗退という前代未聞の屈辱を味わった。リベンジへの思いは強い。決勝の相手、金蘭会には大阪府予選で1-2で敗れている。高野は「絶対に勝ちたい」と言い切った。