代金未払い

 中国人民解放軍出身で香港在住の実業家、徐増平氏が、中国初の空母「遼寧」となった艦船を1999年にウクライナから約2千万ドル(現在のレートで約24億円)で購入した際の内幕を、香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストに明かし、話題になっている。
 徐氏は人民解放軍を退役後、88年に45歳で香港に移住して不動産業などで成功した。その後、ソ連崩壊により建造元のウクライナが売却先を失い、40億ドルで売りに出していた空母「ワリヤーグ」に目を付けた。
 同紙に語ったところでは、徐氏は96年にウクライナで会社を設立。12人を駐在させて情報収集し、98年から99年にかけて自ら交渉に乗り出した。中国製の強い蒸留酒「白酒」や多額の米ドル紙幣を持参してウクライナ側と直談判し、「空母ではなくスクラップ船として大幅に値切り倒した」という。
 売買契約では軍事利用は禁じられていたが、「カジノ施設に改修する」と言い逃れ、マカオの会社名義で購入にこぎ着けた。
 続いて、ウクライナが面する黒海から外洋に運び出すため、ボスポラス海峡の通過許可を求めてトルコ政府と交渉。2000年にトルコを訪れた江沢民国家主席(当時)が、中国からの観光客増大を約束して許可を取り付けたという。
 空母購入に中国当局の意向が働いていたことを示唆する証言とも受け取れる。実際にはマカオではなく中国本土に運ばれ、遼寧省大連での改修をへて12年に正式に空母として就役した。
 徐氏は「移送費用も含め総額1億2千万ドルの対価は中国側から全く支払われていない」とも主張。内幕を明かした背景に、中国側との金銭トラブルがあった可能性も指摘されている。

・販売価格40億ドルを2千万ドルにまけさす方も凄いけど、まける方もどうなんだ?40億ドルはなんだったんだよ?
マカオでカジノに改修するって話は当時から報道されてたけど、Wikipediaをよるとマカオの港は水深が浅すぎてこの艦は入港できないらしい。
・2千万ドルで購入したのに移送費用が1億ドルもかかったんだ。で、その代金を踏み倒してる人民解放軍。酷い話だねぇ。そりゃ徐さんも怒るわ。