春高準決勝の結果

八王子実践 3(26-24 20-25 25-20 25-17)1 金蘭会
下北沢成徳 3(25-18 25-16 25-12)0 文京学院大

・これで明日の決-勝は東京対決に決定。「春高」の決勝が東京対決になるのは2003年の成徳学園VS文京学院大女ぶり。

 八王子実践(東京)が、2連覇を狙った金蘭会(大阪)に3-1で勝ち決勝に進出した。急成長した1年生エースの東谷玲衣奈がブロックと強打で大活躍。文京学院大女との東京対決を3-0で制した下北沢成徳と10日の決勝で対戦する。
 初めてのセンターコートでの試合で、1年生の東谷は存分に動き回った。第4セットの18-15から金蘭会・白沢(3年)の強烈なスパイクを、最高到達点297センチの跳躍で完璧にブロックする。東谷は興奮したのか、闘争心をむき出しに、白沢を凝視しながらガッツポーズを見せ、主審から落ち着くように注意を受けた。
 試合後は幼さが残る笑顔を振りまいた。「ブロックが好きです。明日の決勝でもたくさん決めたい」。両校最多の27点をアタックで奪い、ブロックも7得点。貫井監督は「この大会で覚醒した」と急成長に目を見張る。東谷も大舞台でのプレーを「楽しかった」と言い、メンタルの強さを感じさせた。
 そんな東谷が、相手チームの宮部に話題が及ぶと沈んだ目になった。「腰が大変だと聞いてました。(宮部に)負けたくない、という気持ちはないです。全日本にも入っているし、無理はしないでほしいと思いました」。同じアフリカ系の父を持つ境遇から比較されることも多く、意識しないはずはないが、故障に苦しむ1年先輩に配慮できる優しさをのぞかせた。
 「今は(身長)172センチです。3センチ伸びました」。伝統校の1年生エースが決勝でどれだけ飛躍するか。可能性大の逸材に本格開花する瞬間が目前に迫った。

 注目の強打の宮部藍梨(1年)を擁する金蘭会(大阪)は、八王子実践(東京)にセットカウント1-3で敗れた。
 準決勝と決勝は5セット制。腰痛を抱える宮部は第4セット終盤に出場したが、見せ場なく大会を終えた。試合後は「日本一を狙っていました。3位というのは…」と話し、試合後は淡々としていたが、インタビュー中に涙を流した。