春高準決勝の結果

東九州龍谷 3(22-25 25-17 25-22 25-18)1 東京都市大塩尻
九州文化学園 3(19-25 24-26 25-19 25-23 19-17)2 共栄学園

 東京都市大塩尻は主将の牧田がインフルエンザによる体調不良で欠場。精神的支柱の不在に「逆に選手は結束した」(岡田隆安監督)。それが表れたのが第1セット。宮嶋の攻撃で中盤、2点差をつける。
 牧田は今大会、昨年12月に左肩を故障した宮下の代役を務めてきた。この日は完調でない宮下が岡田監督に出場を申し出て、先発で復帰。「牧田の分も頑張ろう」と宮下は後半、2本連続してサービスエースを決めリードを保つ。
 相手エースに攻め込まれ、終盤に逆転を許すが、セッター小林理と小林禎の2枚ブロックで詰め寄る。小林理のサービスエースで流れを引き寄せ、宮嶋と小林禎の2枚ブロックが決まるなどセットを先取した。
 第2、3セットを連続して失い、後がなくなった第4セット。窪田、高相、宮嶋が果敢に攻め込むも、中盤、5点差をつけられる。後半、高相のバックアタック、小林禎と宮下の2枚ブロックで3点差に迫るが、最後は力尽きた。
 高相は「決めきれなかった。自分の力不足」と唇をかんだ。3年生の宮下は「サーブのミスがあり、自分たちのバレーができなかった」と悔やんだ。

 勝負強さを発揮した。「全員バレー」を掲げる九州文化学園が、セットカウント0-2からの大逆転勝利。2時間12分の激闘を制した疲れもみせず、セッターの田川紘美主将(3年)は「戦略どおり」と声を弾ませた。
 警戒したのは、共栄学園の中国人留学生で201センチのセンター張(ちよう)心(しん)穆(む)意(い)(3年)。堅い守備が必要と考えた田川の判断で、今大会、初先発した中島未来(1年)は「上げれば先輩がカバーしてくれる」と、夢中で張の強打に飛び込んだ。
 2セット連取されても焦りはなかった。張のブロックが、右からの攻撃に対応できない弱点を見つけた田川のトス回しで、エース田中瑞稀(3年)ら攻撃陣が躍動。最終セットはチームの合言葉「次の1点」が力になり、19-17で劇的な勝利を手にした。
 準々決勝で敗退した前回大会後、ユース代表でも活躍していたセンター2人が卒業。5センチ低くなった平均身長168センチは全国でも小さく、「全員で戦う」意識がさらに芽生えた。1日3時間の練習後、自主練1時間を追加、鍛え上げた心身が自信になった。
 決勝は九州地区のライバル、東九州龍谷。胸にあるのは、昨年8月の公式戦で完敗した悔しさだ。
 この日、中島に代わってベンチに下がった大塚莉世(3年)は「東龍戦では、しっかり役割を果たしたい」と誓う。あと1勝もチーム一丸ですべてを出し切る。