春高決勝の結果

九州文化学園 3(22-25 23-25 25-18 25-21 25-23)2 東九州龍谷

九州文化学園は6年ぶり5度目の優勝。

 7,700人の視線が九州文化学園の田中に集まった。東九州龍谷との女子決勝、第5セットは田中がスパイクを決めるたびに大歓声に沸いた。24-23から田中のバックアタックで逆転勝利を収めると、田中の目から涙がこぼれた。
 東九州龍谷の組織的な守備に苦しみ、第1、2セットを失った。全員バレーで第3セットをとってから、主将でセッターの田川は田中にトスを集中させる。
 「任せるから」「絶対に決める」。中3時に、長崎県選抜で全国優勝を経験している2人は、アイコンタクトで気持ちを確認しあった。「みんながつないでくれたボールを打つので、1度失敗したくらいではめげない」と田中。スパイク回数は115。5セットマッチとはいえ2桁のスパイク回数は異例だ。49得点はチーム最多。勝負の第5セットは10点以上を1人で稼ぎ、元全日本の大山加奈さんは「大事な場面で、あれだけ決定打を打てる精神力はすごい。持っている力は代表クラスです」と驚いた。
 3月に左膝を痛め、6月に練習を再開。コートの外で仲間が奮闘している姿をみて精神面で成長した。「みんなの分まで頑張るという気持ちが出てきた。けがする前の田中だったら、今日のような活躍はできなかった」と田川は振り返った。
 卒業後はVリーグJTに入団する。「五輪出場などは考えていない」と控えめだが、東京五輪世代のエースの今後が楽しみだ。

・最優秀選手賞…田中瑞稀
・優秀選手賞…田中瑞稀、山本茉歩、比金みなみ、熊本比奈、森川幸、高相みな実
・ベストリベロ賞…藤本果歩