春高準々決勝の結果

就実 2-1 岡崎学園
金蘭会 2-0 三重
下北沢成徳 2-0 八女学院
古川学園 2-1 共栄学園

就実は最終第3セットの24-24、深沢つぐみ(3年)が2連続得点で食い下がる岡崎学園(愛知)を振り切った。「1、2セット目で決まらず迷惑をかけていた。最後は悔しさと申し訳なさをぶつけた」と汗をぬぐった。主将で姉のめぐみ(3年)と挑む春高連覇まで2勝。8日の準決勝の相手は金蘭会(大阪)。「きょうみたいな試合では負ける。しっかり決めきりたい」と力強く語った。

金蘭会(大阪)が3回戦で都城商(宮崎)、準々決勝で三重をそれぞれストレートで下し2年ぶりの4強入りを果たした。ユース日本代表候補で世代屈指のエース吉武美佳(3年)が攻守で躍動した。
ブロックなんて関係ない。必死に手を伸ばす相手の上から次々とボールをたたき込んだ。世代屈指のアタッカー金蘭会の吉武が、最高到達点300センチを誇る高さを武器に三重を圧倒。ストレートで勝利し2年ぶりの4強入りを決めた。
「(点数が)競って苦しい場面は自分が(ボールを)呼んで打ち切らないといけない。前にいても後ろにいても決めてやろうと思っていた」
25-11で奪った第1セットとは対照的に接戦となった第2セット、エースが輝きを放った。16-17と1点を追う場面で2枚ブロックの上からスパイクを決めて同点。長いラリー戦となった続くポイントも吉武の強烈な一発で奪取した。バックアタックサービスエースでも得点。チームの大黒柱としての役割を果たしダブルヘッダーとなった3回戦、準々決勝をともにストレートで勝ち上がった。
1年時に日本代表としてU18世界選手権に出場。将来の日本代表候補と期待されるホープは福岡・大木町出身。高校から金蘭会に進んだ。大木中時代に金蘭会の1学年先輩である西川吉野(現東レ)らが春高の舞台で活躍し優勝する姿を見て「自分もここでバレーボールをしたい」と決断した。
18、19年に2連覇を達成した強豪で1年時から主力。しかし、前回大会は6年続いていた4強入りを逃した。「自分たちのバレーを出せずに終わった。苦しくなったときに立ち直らせる力をつけようと思った」。劣勢の場面では打ちやすいトスは上がらない。磨いたのは2段トス。週に3回朝練前に15分、リベロの徳本歩未香(2年)にトスを上げてもらい、スパイクを打ち続け進化を遂げた。
8日の準決勝ではインターハイの準決勝で黒星を喫した前回女王の就実(岡山)と対戦する。「1年生から出ているが(春高で)日本一を取っていない。最後の舞台で結果を残したい」。目指すは3年ぶりの春高女王。まだ見ぬ頂へ吉武が高く跳ぶ。

これが春高の厳しさだ。古川学園(宮城)は共栄学園(東京)との準々決勝で第1セットを25-14で先取したが、第2セットを29-31の接戦で落とした。最後は25-15で振り切り4強入りしたが、主将でセッターの熊谷仁依奈(2年)は目を赤くした。
「第2セットは自分の甘さがトスに出た。情けない」
第2セット、熊谷がドミニカ共和国からの留学生でエースのタピア・アロンドラ(2年)ではなく、鈴木夢乃(1年)にトスを集め始めた場面から徐々にチームの流れが乱れた。最大6点差をひっくり返される苦しい展開も、第3セットで球を散らすなどして立て直した。
8日の準決勝で下北沢成徳(東京)と対戦する。「ここからは気持ちの勝負。集中してやり切りたい」。赤く腫らした瞳の奥で、熊谷がセンターコートでの躍動を誓った。

下北沢成徳は八女学院(福岡)をストレートで圧倒し難なく4強入りした。今大会は1セットも落とすことなく、最高到達点300センチを誇る古川愛梨(2年)を中心に勝ち進んできた。準決勝の相手は前回大会の準決勝で敗れた古川学園(宮城)。古川は「相手は高さもあるし競ることになる。焦らず持ち味を出して勝ち切りたい」と言葉に力を込めた。