春高2回戦の結果

東九州龍谷 2-0 岩美
鹿児島実 2-1 豊川
佐賀学園 2-0 高岡商
金蘭会 2-0 進徳女
共栄学園 2-1 開智
福井工大福井 2-0 青森西
誠英 2-0 西邑楽
古川学園 2-0 京都橘
日本航空 2-1 金沢商
城南学園 2-0 札幌山の手
高松南 2-0 宮崎日大
九州文化学園 2-1 山東
八王子実践 2-0 氷上
新潟中央 2-0 就実 (不戦勝)
熊本信愛女学院 2-0 宇都宮中央女・宇都宮中央
三重 2-1 文京学院大

 「ジャパネット杯 春の高校バレー」として行われる第75回全日本バレーボール高等学校選手権の大会事務局は5日、大会2連覇中の女子・就実(岡山)の欠場を発表した。
 出場全チーム対象の新型コロナウイルス抗原検査で陽性者が確認されたため。シードされていた就実は、同日の2回戦が今大会の初戦だった。
 対戦予定だった新潟中央は不戦勝で3回戦進出が決まった。

 「ジャパネット杯春の高校バレー 第75回全日本バレーボール高等学校選手権大会」は5日の女子2回戦で、東京都代表の文京学院大女は三重(三重)に惜しくも敗れた。
 1回戦で大接戦を制した文京学院大女だったが、2回戦はあと一歩及ばなかった。
 第1セットは、序盤から諸田亜のサービスエースなどで得点を重ねて先取するも、第2セットを奪われ、最終セットにもつれ込んだ。両者譲らず接戦のまま迎えた終盤、諸田亜のスパイクが決まりリード。だが相手も粘りをみせ、試合はジュースに突入。田中のスパイクなどで最後まで懸命に戦うも、最後は相手の強打の前に涙をのんだ。
 敗れはしたが、主将の川崎は「練習してきた粘りが出せた。3年生はやりきったと思う」と前を向いた。

 全日本バレーボール高等学校選手権大会第2日(5日、東京体育館)2回戦が行われ、共栄学園(東京)が開智(和歌山)に2-1の逆転勝ちで3回戦進出を決めた。
 フルセットにもつれ込む激戦となった最終第3セットの24-22で、共栄学園の秋本美空(みく、1年)が宙に舞った。鋭いバックアタックを放ち3回戦進出を決めると、16歳はハツラツとした笑顔を浮かべた。「きょうはサーブもミスせずできてよかったけど、(出来は)まだ50点行ってないぐらい」。
 盛岡誠桜(岩手)との1回戦は15得点、この日は24得点をマーク。苦しい攻防が続いた第3セットは自身に集まったトスを次々に決め、エースの働きを見せた。この日は1回戦でミスのあったサーブも決まり、逆に相手からサーブで狙われる場面でも丁寧にレシーブし得点につなげた。元バレーボール日本代表大友愛さんを母に持ち、183センチの身長とすべてのポジションをこなせる器用さを併せ持つ。中村文哉監督は「もっとできるし、もっとやってほしい」。秋本も「上がってきたトスは全部打てるようにしたい。自分が一番(今大会で)点数を取りたい」。1年生エースの快進撃はまだ続く。

 「ジャパネット杯春の高校バレー 第75回全日本バレーボール高等学校選手権大会」は5日の女子2回戦で、東京都代表の共栄学園は開智(和歌山)に勝利し、3回戦進出を決めた。
 共栄学園はフルセットに持ち込んだ末の逆転勝利だった。サーブや攻撃で押されて第1セットを落とし、後がない第2セット。「3年生が『ここじゃ負けてられないよ』と励ましてくれた」と1年生エースの秋本。立ち上がりから高さを生かしたブロックを決めては相手ブロックの上からスパイクをたたき込む。
 3年生の大平や体調不良から復帰した宇都木もスパイクの力強さを発揮して、このセットを奪う。第3セットでも相手の追い上げを退け、最後は秋本がバックアタックで試合を決め、チームに歓喜をもたらした。

 全日本バレーボール高等学校選手権大会第2日(5日、東京体育館)女子2回戦が行われ、前回準優勝でシード校の古川学園(宮城)が、京都橘に2-0でストレート勝ち。昨秋の国体を制した優勝候補が16強入りを決めた。
 三者三様のアタッカーが初戦で躍動した。優勝候補の古川学園が、〝3本の矢〟を武器に強豪の京都橘にストレート勝ちで好発進した。
 「最後だからこそ、誰よりも楽しんでやろうと。1点決まったらガッツポーズしたり。苦しい時こそ楽しめる気持ちをきょうは持てました」
 安定感抜群の阿部明音(あかね)副主将(3年)が、初戦突破に会心の笑みだ。ミドルブロッカーからアウトサイドヒッターに転向し、昨年10月の栃木国体優勝に貢献。ドミニカ共和国出身の留学生タピア・アロンドラ(3年)、サウスポー南舘絢華(3年)と得点を量産した。
 196センチの長身を生かし、圧巻の高さを誇示した通称アロンは「目標は日本一になること」。チームの大黒柱は、1999年以来24年ぶりの優勝に照準を定めている。
 南舘は試合前、春高の全国大会デビュー戦に緊張。思わず阿部に「大丈夫だよね…」と不安げな言葉をかけた。阿部はこれに対して「絶対に大丈夫だよ。これまでやってきたんだから」と元気に返答。背中を押された南舘は、終始のびのびとしたプレーを披露した。

 全日本バレーボール高等学校選手権大会第2日(5日、東京体育館)男女2回戦が無観客で行われ、進徳女(広島)が昨夏の全国高校総体女王の金蘭会(大阪)に0-2で敗れた。昨夏の全国高校総体の準々決勝でも対戦し、この大会で金蘭会から唯一1セットを奪ったが、この日は金蘭会に層の厚さを見せつけられた。
 第1セットは中盤まで速攻などで金蘭会を苦しめたが、終盤に抜け出されて20-25で先取された。第2セットも序盤は食い下がったが、中盤に突き放され、14-25でストレート負け。金蘭会中出身で、中学時代は相手のエースでU20日本代表の上村杏菜(2年)らと全国制覇を経験した畑中未来(みらい、2年)は「チャレンジャーとして思いっきりやろうと話していたが、自分たちのバレーが全然出せなかった」と涙を浮かべた。
 「同じメンバーで高校に上がったら結果が出るとは思ったが、自分が1人になったときにどこまでいけるか試したかった」とあえて内部進学をしなかった畑中。試合終了後にはコート上で上村に「絶対優勝してね」と声をかけ、上村からは「来年もこの舞台でやろうね」と慰められた。畑中は「来年は絶対に力を出し切りたい」とリベンジを誓った。

 昨夏の全国高校総体を制した金蘭会にとって、進徳女はあの夏に「唯一苦しんだ相手」と言ってもいい。
 初戦だった2回戦から決勝までの全5試合のうち、準々決勝の進徳女戦のみ1セット落とした。それ以外はすべてストレート勝ちだった。
 この日は、相手の速いテンポのアタックに対応したレシーブとブロックが光った。エース上村杏菜(2年)のアタックが振るわなくても、守備からリズムを作ってストレート勝ち。
 主将でリベロの徳本歩未香(3年)は「夏苦しんだ相手に思い切って向かっていけた」と笑顔を見せた。
 金蘭会は力のある下級生がレギュラーの大半を占め、3年生は徳本のみがコートに立つこともたびたびあった。
 20歳以下の日本代表として7月のアジア選手権を制し、ベストリベロに選ばれた徳本。付属の金蘭会中からともに進学した同級生とコートに立てないことに、どんな思いを持つのか。
 「下級生に助けられている部分が多いけれど、3年生の力はすごく大事。1、2年生が思い切ってやれるよう、相手の情報や自分たちがどういうところでつまずいているのかは、3年生を中心に話をしてきました」
 下級生の力を最大限に生かせるよう、3年生がプレー以外の部分で支えていたという。
 エースの上村は、徳本について「頼りがいがあって、一緒にプレーしていて一番楽しい先輩」。得点が決まったとき、アタックをしない152センチの徳本が一番喜び、跳びはねてハイタッチに来る姿に、「(テンションが)上がる」という。
 この日の試合に出場した前川唯奈(3年)とは、「2人でしか話せないこともある」と徳本。3年生としての悩みを話したり、前川がコートの外から見て気づいたことを教えてもらったり。
 徳本が観客席から試合を見たこともある。昨夏、新型コロナウイルスに感染した後、近畿大会を戦うチームを眺めた。
 「すごい一人ひとりが成長していて、みんなで声を掛け合って、特に2年生がすごく引っ張っていて……。すごい、いいなと思いました」
 悔しさよりうれしさの方が大きかった。
 自身が担ってきたチームを支える役割を、下級生もできるようになっていたことが頼もしかった。
 3学年が一体となった強さは、最盛期がまだまだ続くことを予感させる。「目標は日本一で変わらない。今までやってきたことをしっかり出し切って、この3年間で一番いい景色を見たいです」
 自分の実力を出しきった上で、下級生の良さも引き出す。縁の下の力持ちとして走りきるつもりだ。